2024年(第25回コンクール)IPMカトヴィツェ賞受賞 小松 さくらさん[2024年7月渡航]

日本からポーランドカトヴィツェへ

7月14日からのシマノフスキ音楽院でのマスタークラスに参加するため、7月12日夜に成田から直行便でポーランドのワルシャワ・ショパン空港へ向け出発しました。
搭乗手続きを終え機内に乗り込むとショパンの音楽が流れており、渡航を目前にとてもワクワクしたことを覚えています。
ワルシャワ空港から音楽院のあるカトヴィツェへは電車での移動でした。一度ワルシャワ中央駅まで出てから日本でいう新幹線のような高速列車に乗り換え3時間ほどで到着です。電車の乗降システムが日本と違うと事前に分かっていましたが、チケットの買い方が分からず券売機の前で困っていたら現地の女性の方が親切に教えてくださり、なんとかカトヴィツェに到着できた時には大変安堵いたしました。カトヴィツェ駅から音楽院の寮までは徒歩20分ほどでした。歩道が石畳みの所が多く、重いスーツケースを引きながら歩くのが大変でしたが、落ち着いた街並みはとても美しく、楽しみながら歩けました。

ショパンワルシャワ空港

カトヴィツェ駅

マスタークラス

全日程のうち私は後期のマスタークラスに参加いたしました。2人の先生から2回ずつレッスンを受講し、受講生コンサートに出演させていただきました。
レッスンや練習室でピアノを触った時にピアノの調律が日本と少し違うように感じました。それはコンサートホールのピアノも同じように感じました。軽く打鍵した音がより上に響くように瑞々しく感じ、打鍵テクニックと心が上手く噛み合うととても美しいピアノの音色になると思いました。そのピアノを最も美しく響かせるために自分のテクニックを現地で即座に完全に変化させることは難しかったですが、先生方から奏法やフレージング、心の解放の仕方などのヒントをたくさんご教授いただきました。コンサートでは思うように弾けないところもあり悔いは残りましたが、素晴らしい音楽院のホールで独特の響きを楽しみながら演奏することができました。また他国の方などの音色を聴くことで自分に足りないものを発見することができました。無限に広がるピアノの音色の可能性を感じられたとても勉強になるマスタークラスでした。
また、音楽院で日本人のピアニストの方が参加されておられ、何も分からず不安になっていたところ声をかけていただき、ポーランドや音楽院の事などを親切に教えてくださりました。マスタークラスの空いた時間にクラクフ(カトヴィツェから電車で1 時間10分ほど) へ連れて行っていただき一緒に観光できたのもとても良い思い出です。

シマノフスキ音楽院

カロル・シマノフスキ先生と記念撮影

とても天井の高い響きの良いホールでした

ショパンゆかりの地巡り

帰国する最終日にワルシャワでショパンにまつわる建造物を何箇所か見学することができました。
ショパンの心臓が安置されている聖十字架教会も礼拝することができました。ショパン博物館はショパンの生涯が詰まった展示物の宝庫でした。
ワルシャワの街はショパン色に溢れており、現代のポーランドの方達の生活の中にショパン音楽が根付いて生きていると感じられることがとても印象的でした。ショパンの音楽を演奏するにはショパンの音楽を愛し守ってきたポーランドの歴史や人々の生活様式などを理解した上で表現する事がとても重要であると思いました。

聖十字架教会_ショパンの心臓が安置されています

ショパン博物館

ショパンの左手の復元模型

ワルシャワの旧市街に何個か設置されているショパンの曲が流れるはずのベンチ。このベンチは壊れていたのかな?

最後に

今回このような貴重な勉強する機会を与えてくだり本当にありがとうございました。学び得られたものを更に積み上げ、これから表現の幅を広げていけるよう精進したいと思います。関わり助けていただいた全ての方々に心より感謝いたします。